1つの訴訟で参加加盟国すべてをカバーする UPC

統一特許裁判所(UPC)は、統一特許裁判所協定(UPCA)に合意している全欧州国の共通の裁判所です。 UPCは次の事項に関する独占的な権限を有しています

  • 単一的効力を有するすべての欧州特許
  • すべての補充的保護証明書
  • UPCAが発効された日までに失効していないすべての欧州特許、もしくはその日以降に付与されたすべての欧州特許
  • UPCAが発効された日に係属中のすべての欧州特許出願、もしくはその日以降に出願されたすべての欧州特許出願

UPCは、国内特許およびEU非加盟国の特許に対する権限を有していません。

心に留めておくべき最も重要なことは、特許権者にはUPCそれほど大きな変化はもたらさないということです。 特にドイツの場合はそうです。 ドイツには、特許侵害訴訟において欧州で最も重要な裁判所があり、UPCはドイツから4回代表を出しています。 その上、UPCにより簡素化の恩恵を受けることができます。 そして何よりもまず、特許の効力を最大24ヵ国までに拡大することができること、複数の国の手続きを同一の言語で行うことができること、国境を超えて特許を行使することができること等、多くのメリットがあります。

しかし、UPC制度が提供する可能性を利用する必要がないと考える場合は、従来の欧州特許をオプトアウトすることを選択できます。

UPCの構成とタスク

UPCの構成とは? とてもシンプルです。 UPCは、第一審裁判所、控訴裁判所、登記所で構成されています。 第一審裁判所は、複数の地方及び地域支部とパリの中央部で構成されます。 特許侵害訴訟において欧州で最も重要な裁判所所在地であるドイツには、最も多く地方支部が存在します。 これらの機関は、デュッセルドルフ、マンハイム、ミュンヘン、ハンブルクにあります。 そのため、ドイツは、最大のUPC処理能力を有する国となっています。 UPCの控訴審裁判所は、ルクセンブルクに置かれます。

訴訟は、すべての機関に提起し、審理することができます。 原則として、侵害訴訟は、訴訟が提起された機関で審理されます。 以前同様、侵害が発生した地域を管轄する機関で、審理を行うことが可能です。 被告がEU圏外に拠点を置いている場合は、パリの中央部が管轄します。

特徴としてはは、ひとつの機関が、特許の侵害と有効性の両方を決定できるということです。 一般的に、これは有能な地方及び地域支部が行うことになります。 しかし、個々のケースでは、侵害と有効性は、異なる手続きで決定されることもあります。 当事者が合意すれば、全裁判過程をパリの中央部に付託することも可能です。

費用分配については、ドイツですでに施行されている原則が適用されます。 UPCの手続きの裁判費用は、通常、申立人によって支払われます。 弁護士費用を含む払い戻しは、敗訴した当事者が負担します。

UPCが適用される国は?

UPC制度は、今後、24ヵ国で適用される予定です。 これらは、統一特許裁判所(UPCA)に関する協定に署名して批准したEU加盟国です。 これらは、現在(2021年10月現在)、17のEU加盟国です。 さらに、7ヵ国のEU加盟国がUPCAに署名しているため、それらの批准、すなわち国際法上拘束力のある確認がなされる可能性が高いと思われます。 EUを脱退したイギリスは、批准を撤回しました。 スペイン、ポーランド、クロアチアは、現在のところ、統一特許制度に参加していません。

Video: The Unified Patent Court

単一特許: アイデアをEU全体で保護

単一的効力を有する欧州特許により、企業や発明家は、EU全体において、イノベーションを均一に保護することができるようになります。 将来的には、この「単一特許」は、最大24のEU加盟国で有効になり、これらの国で特許が制限、譲渡、無効化、失効されるようになります。 統一特許に関する詳細と、時間と費用を節約しながら、既存の特許の保護を理にかなった方法で拡張する方法をご覧ください。 

オプトアウト(適用除外): UPCのメリットとデメリット

UPC制度が、お客様の現在の知的財産権戦略に合致しない場合は、UPCの適用を除外することができます(オプトアウト)。 UPCからオプトアウトした場合、欧州特許(すなわちEPOにより既に付与された特許)は、少なくとも移行期間である7年間は既存のシステムに残り、国内裁判所は、これらのオプトアウトした特許に関する問題について管轄権を保持します。 UPCからオプトアウトする場合の利点、欠点に関する詳細情報は、こちらをご覧ください。